尼門跡寺院とは?
歴史的には比丘尼御所と呼ばれてきたお寺です。比丘尼とは尼様のことです。御所とは宮中同様に皇族の住まいのことを指します。この名称は明治時代まで使用されていました。
しかし、明治政府が政府通達として皇室から寺院に皇女を送り込むこと禁止しました。そのためこの比丘尼御所の名称は相応しくないということとなり、幾つかの名称が使われては消えての変遷があったものの、現在では尼門跡寺院と呼ばれています。
比丘尼御所とは、皇族や公家、将軍家から息女を住持として受け入れてきた尼寺のことを指します。
現在に至るまで一般公開されていない寺院もあり、宮中由来の独特な御所文化が色濃く根付いています。一例を上げるなら仏様、神様、皇室を等しくお祀りするなどです。神仏習合で寺院に神様がいらっしゃることは珍しくないですが、結果として同じ体裁だとしても、そもそも背景にある伝統文化が異なるのです。
現存する尼門跡寺院の数は諸説(長い歴史の中で一度だけ皇女が入寺したお寺や、廃寺になった寺院を換算するかなど)ありますが、 三光院では交流あった寺院に絞って、京都七ヶ寺、奈良三ヶ寺の合計十ヶ寺が現存していると説明させてもらっています。